CaO・2Al2O3を混和した種類の異なるセメント硬化体の水和挙動及び塩化物イオン固定化能力

CaO・2Al2O3を混和した普通、早強及び低熱ポルトランドセメントをそれぞれ水和させると、セメント水和物として、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・12H2Oとモノサルフェートが多量に生成した。生成した水和物が異なったのはセメント中のAl2O3量とSO3量が異なるためであると考察した。CaO・2Al2O3を混和し、水和させた各種セメント硬化体を塩水に浸漬すると、塩化物イオン浸透深さが減少し、表層部の塩化物イオン濃度が高くなった。これは、フリーデル氏塩の生成による塩化物イオン固定化の化学的な作用により、塩化物イオンの浸透が抑制されたと考察した。その効果は特に低熱セメントにおいて顕著であった。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 65; no. 1; pp. 427 - 434
Main Authors 宮口, 克一, 盛岡, 実, 田原, 和人, 武若, 耕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2011
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.65.427

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Summary:CaO・2Al2O3を混和した普通、早強及び低熱ポルトランドセメントをそれぞれ水和させると、セメント水和物として、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・12H2Oとモノサルフェートが多量に生成した。生成した水和物が異なったのはセメント中のAl2O3量とSO3量が異なるためであると考察した。CaO・2Al2O3を混和し、水和させた各種セメント硬化体を塩水に浸漬すると、塩化物イオン浸透深さが減少し、表層部の塩化物イオン濃度が高くなった。これは、フリーデル氏塩の生成による塩化物イオン固定化の化学的な作用により、塩化物イオンの浸透が抑制されたと考察した。その効果は特に低熱セメントにおいて顕著であった。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.65.427