ライフサイクルを通じたコンクリートのCO2吸収量算定に関する研究

本論文では1919年~2018年の期間に国内で消費されたセメントが、コンクリートとして供用、解体、再利用段階のライフサイクルを通じて中性化によって吸収したCO2量を算定した。得られた算定結果を海外で提案されているモデルと比較検証した。さらに、算定結果に及ぼす影響因子について評価した。2018年のセメント消費量に基づく脱炭酸由来のCO2排出量に対し、10%~25%の範囲に相当するCO2量を吸収していると算定された。これらの算定範囲は既往モデルの算定結果を包含するものであった。供用段階においてはコンクリートの中性化度が、解体段階では解体コンクリートの粒度の影響が大きいことを因子分析により示した。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 74; no. 1; pp. 333 - 340
Main Authors 兵頭, 彦次, 星野, 清一, 平尾, 宙, 野村, 幸治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 31.03.2021
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Summary:本論文では1919年~2018年の期間に国内で消費されたセメントが、コンクリートとして供用、解体、再利用段階のライフサイクルを通じて中性化によって吸収したCO2量を算定した。得られた算定結果を海外で提案されているモデルと比較検証した。さらに、算定結果に及ぼす影響因子について評価した。2018年のセメント消費量に基づく脱炭酸由来のCO2排出量に対し、10%~25%の範囲に相当するCO2量を吸収していると算定された。これらの算定範囲は既往モデルの算定結果を包含するものであった。供用段階においてはコンクリートの中性化度が、解体段階では解体コンクリートの粒度の影響が大きいことを因子分析により示した。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.74.333