COVID-19流行下の体育科目におけるウォーキングと歩数計アプリを取り入れた短期間の遠隔授業の特徴

COVID-19は,2020年1月に日本国内で初めて感染者が確認され,その流行は次第に全国に広まった.その流行を防ぐために,多くの大学で遠隔授業が実施されたが,学生の身体活動量は大幅に減少した.本研究では,短期大学の体育科目におけるウォーキングと歩数計アプリを取り入れた短期間の遠隔授業の特徴を検証した.対象は,岡山県内の短期大学生71名(18~23歳)であった.遠隔授業は,2021年1月中旬~2月中旬に,各学科・専攻で週1回,計3~5回実施した.学生は,歩数計アプリをインストールした端末を携帯し,ウォーキングを行った後,アプリに保存されたウォーキングの記録の画像をオンラインで提出した.その画像...

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Published in大学体育スポーツ学研究 Vol. 21; pp. 107 - 122
Main Author 及川, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 全国大学体育連合 2024
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ISSN2434-7957
DOI10.20723/jpeshe.21.0_107

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Summary:COVID-19は,2020年1月に日本国内で初めて感染者が確認され,その流行は次第に全国に広まった.その流行を防ぐために,多くの大学で遠隔授業が実施されたが,学生の身体活動量は大幅に減少した.本研究では,短期大学の体育科目におけるウォーキングと歩数計アプリを取り入れた短期間の遠隔授業の特徴を検証した.対象は,岡山県内の短期大学生71名(18~23歳)であった.遠隔授業は,2021年1月中旬~2月中旬に,各学科・専攻で週1回,計3~5回実施した.学生は,歩数計アプリをインストールした端末を携帯し,ウォーキングを行った後,アプリに保存されたウォーキングの記録の画像をオンラインで提出した.その画像に基づき,ウォーキングの距離,活動時間,平均時速,歩数,消費カロリーを把握した.また,ウォーキングを一人で行ったのか,それとも友人と一緒に行ったのかを把握した.遠隔授業の最終回には,普段の運動実施状況,遠隔授業に対する満足度,遠隔授業に対する意見・感想・要望に関するアンケート調査をオンラインで実施した.結果として,学生は十分な身体活動の強度でウォーキングを実施し,少なくとも1日の身体活動の基準値の1/2を超える身体活動量を得ていた.学生の身体活動量は,授業回およびウォーキング時の実施状況によって異なっていた.ほぼ全ての学生が,遠隔授業に概ね満足していた.遠隔授業に対する満足度に,普段の運動実施状況は関連していなかった.屋外でウォーキングを行うことにより,身体活動量が充足されたり,体を動かすことの楽しさを感じたり,気分が転換・向上したりすることに対する肯定的な評価が,ウォーキングによる身体活動量の多さや,遠隔授業に対する満足度の高さに反映していた.以上のような実態は,COVID-19の流行と,それに伴う行動制限等の措置の影響を受けていた.
ISSN:2434-7957
DOI:10.20723/jpeshe.21.0_107