異なる教科の教員同士による授業開発の事例研究

教科専門性を採用している校種で,配属人数が少ない教科の,教職経験が短い教員が専門職の資質能力を日々高め続けるためには,教科を越えた学び合いが重要である.多様な教科間で学び合うしくみを導入している京都市立中学校の採用1年目教員の夏季研修において,異なる教科の教員同士で授業を設計し,模擬授業を行う様子に注目しながら2年間分の記録を分析したところ,知識の習得にむけて学習者が考える場面を選定し,その場面で採用する教育技術の選定を通して授業の方略を理解することによって,担当教科と異なる教科の内容に関わる設計に参加できるようになることが確認された.また,異教科の教員が他の専門領域の内容をふまえた授業展開に...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 39; no. 3; pp. 181 - 190
Main Authors 望月, 紫帆, 西之園, 晴夫, 坪井, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 2015
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ISSN1349-8290
2189-6453
DOI10.15077/jjet.39016

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Summary:教科専門性を採用している校種で,配属人数が少ない教科の,教職経験が短い教員が専門職の資質能力を日々高め続けるためには,教科を越えた学び合いが重要である.多様な教科間で学び合うしくみを導入している京都市立中学校の採用1年目教員の夏季研修において,異なる教科の教員同士で授業を設計し,模擬授業を行う様子に注目しながら2年間分の記録を分析したところ,知識の習得にむけて学習者が考える場面を選定し,その場面で採用する教育技術の選定を通して授業の方略を理解することによって,担当教科と異なる教科の内容に関わる設計に参加できるようになることが確認された.また,異教科の教員が他の専門領域の内容をふまえた授業展開について提案する場合,選定された場面での学習者の反応を多面的に予測することを助け,時間内に学習目標を達成するための方略の構築に貢献できることが明らかになった.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.39016