1.Hodgkinリンパ腫

Hodgkinリンパ腫の全病期の予後は,過去30年間に劇的に改善してきているが,これは,多剤併用化学療法の開発によるものが大である.初発限局早期症例にはABVD療法を短コース(4コース)実施した後に病変部位への区域照射(involved field radiotherapy;IFRT(20~30Gy))を実施することが,標準的治療法であり,初発進行期症例にはABVD療法の6~8コースが標準的治療法である.初発進行期で予後不良因子を保有していても,up-frontでの自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法の意義はなく,また,化学療法での寛解後に初発時のbulky病変に対して後照射を実施することの有...

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 97; no. 7; pp. 1568 - 1580
Main Author 小椋, 美知則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2008
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.97.1568

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Summary:Hodgkinリンパ腫の全病期の予後は,過去30年間に劇的に改善してきているが,これは,多剤併用化学療法の開発によるものが大である.初発限局早期症例にはABVD療法を短コース(4コース)実施した後に病変部位への区域照射(involved field radiotherapy;IFRT(20~30Gy))を実施することが,標準的治療法であり,初発進行期症例にはABVD療法の6~8コースが標準的治療法である.初発進行期で予後不良因子を保有していても,up-frontでの自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法の意義はなく,また,化学療法での寛解後に初発時のbulky病変に対して後照射を実施することの有用性もない.多剤併用化学療法による寛解後の,初回再発例や難反応例に対しては,救援化学療法への奏効後の自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法が標準的治療法である.本稿では,Hodgkinリンパ腫の病態,標準的治療法,研究的治療法について高度なエビデンスを中心にして紹介する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.97.1568