セメント硬化体における鉛の吸脱着特性と溶出挙動

近年循環型社会への変遷に伴い、コンクリート分野でも廃棄物を有効利用する取り組みが行われている。一方で産業廃棄物を再利用したコンクリートには、重金属溶出といった二次的環境問題の発生が懸念されている。よって本研究では重金属種の中の鉛に着目し、鉛の長期的な予測手法の確立を目指すための第一段階として、まず鉛の溶出機構を明らかにすることを目的とし、セメント硬化体中における鉛の吸脱着特性、鉛の溶出挙動について実験的に検討した。その結果、溶媒をCaCl2・2H2O溶液とした場合の吸脱着特性は、溶媒が純水、NaCl溶液、KCl溶液、LiCl溶液の場合と大きく異なり、脱着量が非常に大きいことが明らかとなった。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 65; no. 1; pp. 126 - 131
Main Authors 河合, 研至, 菊地, 博満, 高谷, 隼人, 林, 明彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2011
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Summary:近年循環型社会への変遷に伴い、コンクリート分野でも廃棄物を有効利用する取り組みが行われている。一方で産業廃棄物を再利用したコンクリートには、重金属溶出といった二次的環境問題の発生が懸念されている。よって本研究では重金属種の中の鉛に着目し、鉛の長期的な予測手法の確立を目指すための第一段階として、まず鉛の溶出機構を明らかにすることを目的とし、セメント硬化体中における鉛の吸脱着特性、鉛の溶出挙動について実験的に検討した。その結果、溶媒をCaCl2・2H2O溶液とした場合の吸脱着特性は、溶媒が純水、NaCl溶液、KCl溶液、LiCl溶液の場合と大きく異なり、脱着量が非常に大きいことが明らかとなった。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.65.126