深層学習による斜面表層ひずみの異常検知

土砂崩壊災害の防止のためのソフト対策として,斜面の動態観測データから崩壊の予兆を検知し,それに基づいた監視システムの運用が有効である.この監視システムにおいて大きな課題となるのは,計測データから得られた情報がどのようになった時に,退避のための警報を発するかである.本研究では,遠心場での斜面崩壊実験で計測した斜面表層ひずみの時系列データから,深層学習の手法の一つであるLSTMを用いてデータの予測を行い,その予測値と計測値の残差によって,斜面の異常を検知する手法について検証した.その結果,設置した8基の表層ひずみ計の異常検知数の時系列推移から崩壊前に斜面の異常が検知できることが確認された.また,時...

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Published inAI・データサイエンス論文集 Vol. 2; no. J2; pp. 556 - 567
Main Authors 平岡, 伸隆, 吉川, 直孝, 伊藤, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2021
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Summary:土砂崩壊災害の防止のためのソフト対策として,斜面の動態観測データから崩壊の予兆を検知し,それに基づいた監視システムの運用が有効である.この監視システムにおいて大きな課題となるのは,計測データから得られた情報がどのようになった時に,退避のための警報を発するかである.本研究では,遠心場での斜面崩壊実験で計測した斜面表層ひずみの時系列データから,深層学習の手法の一つであるLSTMを用いてデータの予測を行い,その予測値と計測値の残差によって,斜面の異常を検知する手法について検証した.その結果,設置した8基の表層ひずみ計の異常検知数の時系列推移から崩壊前に斜面の異常が検知できることが確認された.また,時系列データを定常化するために表層ひずみ速度を用いた場合においても,同様に崩壊前に斜面の異常検知が行えることを確認した.
ISSN:2435-9262
DOI:10.11532/jsceiii.2.J2_556