投球による尺骨鉤状結節剥離骨折後の骨癒合不全にsuture anchorを用いた骨接合術が有効であった2例

【緒言】尺骨鉤状結節剥離骨折後の内側側副靱帯(MCL)機能不全は稀であり手術法は確立していない.投球による尺骨鉤状結節剥離骨折癒合不全にsuture anchorを用いた骨接合術を施行した2例を報告する. 【症例1】16歳男性.投球時に右肘内側部痛が出現し,近医で尺骨鉤状結節剥離骨折の診断となり保存加療が無効のため紹介受診となった.尺骨鉤状結節にCTで骨硬化,MRIで高輝度領域を認め,骨癒合は困難と判断しsuture anchorでMCLを骨片ごと縫着した.術後6か月で投球再開した. 【症例2】16歳男性.投球後に肘内側部痛が出現し,投球時痛が残存するため5か月後に当院受診となった.症例1と同...

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Published in日本肘関節学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 131 - 134
Main Authors 鈴木, 昌, 木村, 亮介, 田鹿, 佑太朗, 古屋, 貫治, 西中, 直也, 尾崎, 尚代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本肘関節学会 2020
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ISSN1349-7324
2434-2262
DOI10.24810/jelbow.27.2_131

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Summary:【緒言】尺骨鉤状結節剥離骨折後の内側側副靱帯(MCL)機能不全は稀であり手術法は確立していない.投球による尺骨鉤状結節剥離骨折癒合不全にsuture anchorを用いた骨接合術を施行した2例を報告する. 【症例1】16歳男性.投球時に右肘内側部痛が出現し,近医で尺骨鉤状結節剥離骨折の診断となり保存加療が無効のため紹介受診となった.尺骨鉤状結節にCTで骨硬化,MRIで高輝度領域を認め,骨癒合は困難と判断しsuture anchorでMCLを骨片ごと縫着した.術後6か月で投球再開した. 【症例2】16歳男性.投球後に肘内側部痛が出現し,投球時痛が残存するため5か月後に当院受診となった.症例1と同様の画像所見から手術を行い,術後6か月で投球再開した. 【考察】15~16歳頃では尺骨鉤状結節部が最脆弱部のため剥離骨折が発生する.癒合不全例は手術により良好な経過が得られるが,初期治療から注意すべきである.
ISSN:1349-7324
2434-2262
DOI:10.24810/jelbow.27.2_131