細骨材として使用したセメントクリンカーがモルタルの物性に及ぼす影響

本研究ではセメントクリンカーの細骨材としての使用がモルタルの物性に及ぼす影響について検討した。その結果、細骨材に対するクリンカーの質量置換率が増加するほど、圧縮強度は増加した。また、塩化物イオン実効拡散係数は、細骨材の一部をクリンカーで置換した場合でも大幅に低減したが、クリンカーの質量置換率との間に相関は確認できなかった。さらにクリンカーの粒径がモルタルの物性に及ぼす影響について考察し、クリンカーは粒径が0.15mm以下のものは結合材として、0.15mm以上のものは細骨材として振舞い、前者はセメントペースト部の、後者は遷移帯の緻密化が生じ、塩化物イオン実効拡散係数が向上したと推察した。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 69; no. 1; pp. 169 - 175
Main Authors 宮本, 慎太郎, 稲田, 晴香, 皆川, 浩, 久田, 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2015
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Summary:本研究ではセメントクリンカーの細骨材としての使用がモルタルの物性に及ぼす影響について検討した。その結果、細骨材に対するクリンカーの質量置換率が増加するほど、圧縮強度は増加した。また、塩化物イオン実効拡散係数は、細骨材の一部をクリンカーで置換した場合でも大幅に低減したが、クリンカーの質量置換率との間に相関は確認できなかった。さらにクリンカーの粒径がモルタルの物性に及ぼす影響について考察し、クリンカーは粒径が0.15mm以下のものは結合材として、0.15mm以上のものは細骨材として振舞い、前者はセメントペースト部の、後者は遷移帯の緻密化が生じ、塩化物イオン実効拡散係数が向上したと推察した。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.69.169