Wallenberg症候群を呈した解離性後下小脳動脈瘤の2例

Wallenberg症候群にて発症した後下小脳動脈(PICA)のみの解離性動脈瘤(DA)の2例を報告する.1例は34歳の男性で,発症直後の脳血管撮影にて動脈瘤が大きかったため,後頭下開頭にてproximal clippingが行われた.もう1例は49歳の男性で保存的に加療され,6カ月後の脳血管撮影にて動脈瘤は消失しほぼ正常所見を呈していた.著者らは文献上発表されている症例をもとに治療指針について若干の考察を加えた.Wallenberg症候群の診断には詳細な神経学的診察が必要であり,その原因としてPICAのDAがかなりの頻度であると思われる....

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Published in脳卒中 Vol. 20; no. 4; pp. 413 - 420
Main Authors 糟谷, 英俊, 中谷, 幸太郎, 笹原, 篤, 清水, 隆, 高倉, 公朋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.08.1998
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.20.413

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Summary:Wallenberg症候群にて発症した後下小脳動脈(PICA)のみの解離性動脈瘤(DA)の2例を報告する.1例は34歳の男性で,発症直後の脳血管撮影にて動脈瘤が大きかったため,後頭下開頭にてproximal clippingが行われた.もう1例は49歳の男性で保存的に加療され,6カ月後の脳血管撮影にて動脈瘤は消失しほぼ正常所見を呈していた.著者らは文献上発表されている症例をもとに治療指針について若干の考察を加えた.Wallenberg症候群の診断には詳細な神経学的診察が必要であり,その原因としてPICAのDAがかなりの頻度であると思われる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.20.413