ラットにおける粉末飼料飼育の情動活動に及ぼす影響 飼育飼料変更前後の自発運動量の測定
ラットにおける粉末飼料飼育が情動行動に及ぼすか否かを検討する目的として, 雄性ラット110匹を用い, 「固形飼料飼育群」と「粉末飼料飼育群」の2群を設定し, 自発運動量を測定した. 水平的自発運動量について, 暗期において, 飼育飼料の違いによる群間比較を行った結果, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に高い値を示した (p<0.05).明期においては, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に低い値を示した (p<0.05). 垂直的自発運動量について, 暗期において, 飼育飼料の違いによる群間比較を行った結果, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に高い値を示...
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Published in | 日本咀嚼学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 29 - 36 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本咀嚼学会
31.05.2008
日本咀嚼学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0917-8090 1884-4448 |
DOI | 10.14858/soshaku1991.18.29 |
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Summary: | ラットにおける粉末飼料飼育が情動行動に及ぼすか否かを検討する目的として, 雄性ラット110匹を用い, 「固形飼料飼育群」と「粉末飼料飼育群」の2群を設定し, 自発運動量を測定した. 水平的自発運動量について, 暗期において, 飼育飼料の違いによる群間比較を行った結果, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に高い値を示した (p<0.05).明期においては, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に低い値を示した (p<0.05). 垂直的自発運動量について, 暗期において, 飼育飼料の違いによる群間比較を行った結果, 固形飼料飼育群に比して粉末飼料飼育群は有意に高い値を示した (p<0.05) が, 明期においては有意な差は認められなかった. 17, 24週齢のラットについて, 24時間の連続観察による固形飼料飼育と粉末飼料飼育における水平的自発運動量について, ラットの行動パターンを定量的に評価するパラメータとして差分平均を用いて検討した.Mann-WhitneyのU検定の結果, 暗期における各週齢の水平的, 垂直的運動量の差分平均は粉末飼料飼育群のほうが固形飼料飼育群よりも, 有意に高いことが確認された. これらの自発運動量の測定結果から, 粉末飼育によってラットの暗期における運動量は増加し, 運動リズムが崩れていることが判明し, 咀嚼活動が情動行動に影響することが示唆された. |
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ISSN: | 0917-8090 1884-4448 |
DOI: | 10.14858/soshaku1991.18.29 |