Chlamydia trachomatisに対する血清IgA抗体のmonomer/polymer比 尿路性器感染症における検討
C. trachomtisに対する血清IgA, IgG抗体陽性で, かつ局所からC. trachomatis抗原が検出された男女各種C. trachomatis性尿路性器感染症例に対して抗C. trachomtis血清IgAのmonomer型とpolymer型の抗体価をindirect immunoperoxidase assay (Savyon社製キット) を用いて測定した. なお, 前立腺炎は抗原検出は行えていない. これらの糸課から抗C. trachomatis血清IgAのmonomer/polymer比 (以下m/p比) を算出し, そのIgA抗体の分子性状の比の臨床的意義について検討...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 65; no. 1; pp. 7 - 18 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.01.1991
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.65.7 |
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Summary: | C. trachomtisに対する血清IgA, IgG抗体陽性で, かつ局所からC. trachomatis抗原が検出された男女各種C. trachomatis性尿路性器感染症例に対して抗C. trachomtis血清IgAのmonomer型とpolymer型の抗体価をindirect immunoperoxidase assay (Savyon社製キット) を用いて測定した. なお, 前立腺炎は抗原検出は行えていない. これらの糸課から抗C. trachomatis血清IgAのmonomer/polymer比 (以下m/p比) を算出し, そのIgA抗体の分子性状の比の臨床的意義について検討した. 1. 男子の検討: m/p比 (平均±S. E.) は急性のC. trachomat空性尿道炎では2.6±1.0であるのに比して, 慢性の非細菌性前立腺炎では8.0±2.2と高く, 慢性期ではmonomer型IgAが主体になる傾向を認めた. 2. 女子の検討: m/p比は亜急性のC. trachornatis性子宮頚管炎では5.0±1.9であるのに比して, 慢性C. trachomatis感染と考えられる妊婦では8.5±2.9, C. trachomatis感染を繰り返していると考えられる特殊浴場接客婦では31.5±16.8と高く, monomer型IgAが主体であつた. すなわち, 慢性でしかも感染を繰り返していると考えられる症例ほど, monomer型IgAが主体になることが考えられた. 3. IgA抗体価の治療後の経時的推移をみると急性のC. trachomnatis性尿道炎では治療後, polymer型IgA抗体価のみが低下した. 一方, 慢性感染である前立腺炎ではmonomer型IgA抗体価が低下し, IgG抗体価と類似した推移を示した. 4. 以上より, C. trachomt憾染症において感染の急性期にはpolymer型IgAが, 慢性期にはmonomer型IgAが主体となっていることが示唆された. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.65.7 |