烏頭赤石脂丸について

虚寒証で胸郭部, 上腹部において劇痛を発する慢性疾患に烏頭赤石脂丸を投与し奏功を得た。心痛徹背, 背痛徹心だけの条文であるが心下痞, 心下痞硬, 軽度の胸脇苦満をみとめ, 脈候は沈緊, 沈弱が多いようである。本丸単独投与のみならず, 他の薬方の併用により臨床効果をあげた症例を検討してみると著効をみたのは括〓薤白白酒湯, 解急蜀椒湯, 千金当帰湯である。したがって本丸は胸痺, 心痛のみならず, 寒疵の病にも応用されてよい薬方と考える。また本丸を構成する生薬中の烏頭, 附子併用の意義を文献的に考察し著者等が行った実験結果からaconitine中毒の抑制効果があることを論じた。...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 36; no. 4; pp. 277 - 283
Main Authors 福田, 佳弘, 藤平, 健, 田村, 憲一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 01.04.1986
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Summary:虚寒証で胸郭部, 上腹部において劇痛を発する慢性疾患に烏頭赤石脂丸を投与し奏功を得た。心痛徹背, 背痛徹心だけの条文であるが心下痞, 心下痞硬, 軽度の胸脇苦満をみとめ, 脈候は沈緊, 沈弱が多いようである。本丸単独投与のみならず, 他の薬方の併用により臨床効果をあげた症例を検討してみると著効をみたのは括〓薤白白酒湯, 解急蜀椒湯, 千金当帰湯である。したがって本丸は胸痺, 心痛のみならず, 寒疵の病にも応用されてよい薬方と考える。また本丸を構成する生薬中の烏頭, 附子併用の意義を文献的に考察し著者等が行った実験結果からaconitine中毒の抑制効果があることを論じた。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.36.277