頸椎後縦靱帯骨化症に対する棘突起縦割式椎弓形成術の手術成績

「はじめに」頚椎後縦靱帯骨化症は, 病巣が多椎体にわたることが多く, 前方法に比べ, 後方法である椎弓形成術が選択される頻度が高い. 当院では2椎間までの病巣に対しては原則的に前方除圧固定術を選択しているが, 3椎間以上の病巣や脊柱管前後径が12mm以下の脊柱管狭窄を認める例に対しては棘突起縦割式椎弓形成術を選択している. その手術成績は比較的安定しているが, 成績不良例もある. 今回我々は, 頚椎後縦靱帯骨化症に対する棘突起縦割式椎弓形成術の手術成績について調査し, 成績に影響を与える因子について検討したので報告する. 対象および方法 1995年1月から2000年10月までの5年10ヵ月の間...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 2; pp. 341 - 345
Main Authors 佐藤, 公昭, 安藤, 則行, 副島, 崇, 村上, 秀孝, 金澤, 知之進, 永田, 見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2003
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Summary:「はじめに」頚椎後縦靱帯骨化症は, 病巣が多椎体にわたることが多く, 前方法に比べ, 後方法である椎弓形成術が選択される頻度が高い. 当院では2椎間までの病巣に対しては原則的に前方除圧固定術を選択しているが, 3椎間以上の病巣や脊柱管前後径が12mm以下の脊柱管狭窄を認める例に対しては棘突起縦割式椎弓形成術を選択している. その手術成績は比較的安定しているが, 成績不良例もある. 今回我々は, 頚椎後縦靱帯骨化症に対する棘突起縦割式椎弓形成術の手術成績について調査し, 成績に影響を与える因子について検討したので報告する. 対象および方法 1995年1月から2000年10月までの5年10ヵ月の間に, 頚椎後縦靱帯骨化症に対して棘突起縦割式椎弓形成術を施行した48例のうち, 術後1年以上経過観察が可能であった39例を対象とした. 男性26例, 女性13例, 平均年齢62(42-75)歳, 平均罹病期間42(3-240)ヵ月, 平均経過観察期間38(12-77)ヵ月であった. 骨化形態は連続型19例, 混合型14例, 分節型5例, 限局型1例であった. 39例中8例は胸腰椎部に後縦靱帯骨化, 黄色靱帯骨化, 腰部脊柱管狭窄症などの脊髄 馬尾圧迫病変を合併していた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.341