高濃度水素+酸素ガス吸入が下肢血流動態,筋柔軟性,関節可動域,垂直飛び高に与える影響 単盲検クロスオーバー試験を用いた検討

【目的】目的は,高濃度水素+酸素ガス吸入による下肢血流動態と下肢柔軟性,関節可動域,垂直飛び高との関連を調査することである。【方法】健常成人男性を対象に,高濃度水素+酸素ガス吸入による血流と身体機能面への影響を検討した。測定項目は,膝窩動脈の血管径と血流速度,下肢伸展挙上角度,踵臀部間距離,足関節可動域(背屈,底屈),下腿前傾角,垂直飛び高とした。統計学的検討には吸入ガスおよび吸入時期の2要因に対する2元配置分散分析を行った。また,ガス吸入前に対する吸入後の各測定項目の比を算出し吸入前後で比較した。危険率は5%未満とした。【結果】すべての項目で主効果と交互作用を認めなかった。ガス吸入前に対する...

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Published in理学療法学 Vol. 51; no. 4; pp. 93 - 100
Main Authors 田村, 将希, 阿蘇, 卓也, 蜂須, 貢, 北井, 仁美, 古屋, 貫治, 三邉, 武幸, 西中, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本理学療法学会連合 20.08.2024
日本理学療法学会連合
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Summary:【目的】目的は,高濃度水素+酸素ガス吸入による下肢血流動態と下肢柔軟性,関節可動域,垂直飛び高との関連を調査することである。【方法】健常成人男性を対象に,高濃度水素+酸素ガス吸入による血流と身体機能面への影響を検討した。測定項目は,膝窩動脈の血管径と血流速度,下肢伸展挙上角度,踵臀部間距離,足関節可動域(背屈,底屈),下腿前傾角,垂直飛び高とした。統計学的検討には吸入ガスおよび吸入時期の2要因に対する2元配置分散分析を行った。また,ガス吸入前に対する吸入後の各測定項目の比を算出し吸入前後で比較した。危険率は5%未満とした。【結果】すべての項目で主効果と交互作用を認めなかった。ガス吸入前に対する吸入後の比率の検討では,血流速度比のみ高濃度水素+酸素ガス吸入後で有意に高値を示した(p=0.02)。【結論】高濃度水素+酸素ガス吸入により,下肢血流速度が増大する可能性がある。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.12478