漢方生薬処方の調剤技術料に関する検討 -社団法人日本東洋医学会・生薬に関する保険問題調査会報告

健康保険における漢方処方の適正な調剤料を検討する目的で, 3薬局において調剤業務のタイムスタディを実施した。実地調査は, 漢方エキス製剤を含む一般薬は処方箋1枚を1サンプル (S) として125S, 生薬処方は1処方を1Sとし176Sを対象とした。薬品の取り出しから最終監査の前まで, 薬剤師の直接作業時間について, 生薬処方は1Sあたり平均9分33秒と一般薬の5.4倍を要した。生薬の調剤時間は処方日数の増加に伴い延長し, 平均的構成生薬数 (9~12) の22~28日分処方は8~14日分に比較し約2倍を要した。また構成生薬数の増加とともに調剤時間も延長した。調剤業務時間から推計した薬剤師の直接...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 56; no. 2; pp. 211 - 220
Main Authors 三潴, 忠道, 佐藤, 弘, 秋葉, 哲生, 九鬼, 伸夫, 伊藤, 隆, 古田, 一史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 20.03.2005
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.56.211

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Summary:健康保険における漢方処方の適正な調剤料を検討する目的で, 3薬局において調剤業務のタイムスタディを実施した。実地調査は, 漢方エキス製剤を含む一般薬は処方箋1枚を1サンプル (S) として125S, 生薬処方は1処方を1Sとし176Sを対象とした。薬品の取り出しから最終監査の前まで, 薬剤師の直接作業時間について, 生薬処方は1Sあたり平均9分33秒と一般薬の5.4倍を要した。生薬の調剤時間は処方日数の増加に伴い延長し, 平均的構成生薬数 (9~12) の22~28日分処方は8~14日分に比較し約2倍を要した。また構成生薬数の増加とともに調剤時間も延長した。調剤業務時間から推計した薬剤師の直接人件費は, 生薬では調剤料とほぼ同額あるいはそれ以上, 一般薬の5倍以上と推定された。平成16年度改訂の調剤報酬規定では, 湯薬 (生薬) の調剤料を―律120点としているが, 処方日数や構成生薬数. 生薬備蓄場所の経費などに見合った設定見直しが必要である。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.56.211