若手救急医の育成に何が必要か Acute Care Surgeryの観点から

現在,Acute Care Surgeryを担っていると思われる都市部救命救急センターと地方中核病院外科を比較し,Acute Care Surgeonの育成法を考察した。著者が現在在籍する独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センターと,以前在籍したいわき市立総合磐城共立病院外科の外科診療状況を後ろ向きに調査した。手術に関しては,災害医療センターでは若手外科医1人当たり85件/年,磐城共立病院外科では155件/年であり,共立病院外科の方が手術のバリエーションも幅広かった。外科集中治療Surgical critical careに関しては人工呼吸管理,血液浄化,Open abdomin...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 32; no. 5; pp. 895 - 900
Main Authors 小笠原, 智子, 小井土, 雄一, 井上, 潤一, 岡田, 一郎, 霧生, 信明, 米山, 久詞, 新谷, 史明, 阿部, 道夫, 川口, 信哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.07.2012
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.32.895

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Summary:現在,Acute Care Surgeryを担っていると思われる都市部救命救急センターと地方中核病院外科を比較し,Acute Care Surgeonの育成法を考察した。著者が現在在籍する独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センターと,以前在籍したいわき市立総合磐城共立病院外科の外科診療状況を後ろ向きに調査した。手術に関しては,災害医療センターでは若手外科医1人当たり85件/年,磐城共立病院外科では155件/年であり,共立病院外科の方が手術のバリエーションも幅広かった。外科集中治療Surgical critical careに関しては人工呼吸管理,血液浄化,Open abdominal managementいずれに関しても災害医療センターでの経験数が多かった。若手外科医1人当たりの外傷手術症例数は災害医療センターにて16.0件/年,磐城共立病院3.2件/年といずれも少なかった。Acute care surgeonの育成の場として地方中核病院外科では集中治療Surgical critical careの経験が不足し,都市部救命救急センターでは多彩な手術経験が不足するため施設間での相互交流等を検討すべきである。また,外傷手術の経験数はいずれも少なく,外傷手術手技のトレーニングが課題である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.32.895