がん治療期から終末期におけるフェンタニルパッチの有効性および安全性の検討

• Published in: Palliative Care Research Vol. 3; no. 1; pp. 201 - 208
• Main Authors: 渡辺, 法男, 安村, 幹央, 吉田, 直優, 加藤, 喜彦, 中村, 千草, 立山, 健一郎, 山村, 恵子, 安田, 公夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本緩和医療学会 2008
• Subjects: がん性疼痛; がん治療; フェンタニルパッチ; 緩和医療
• ISSN: 1880-5302
• DOI: 10.2512/jspm.3.201

当院では, 将来的に経口での疼痛コントロールが困難と予見されるがん患者に対し, 治療期から終末期まで安定した除痛を得ることを目的にフェンタニルパッチ (以下, FP) を早期から導入している. 今回, FPの有用性を確認する目的で, FPの有効性・安全性についてretrospectiveに検討したので報告する. 【方法】薬学的管理を行いFPを使用した患者28名に対し, FP変更前投与オピオイド, FP変更理由, FPの投与期間・投与量, FP変更前後の疼痛スコア, 副作用 (嘔気・嘔吐, 便秘, 傾眠), 臨床検査値について調査を行った. 【結果】FPのおもな変更理由は「将来的に経口での疼痛コントロールが困難と予見」, 「化学療法による副作用の発現・可能性」であった. FPの平均投与期間は133日, 疼痛スコアと便秘は有意に減少し, 嘔気・嘔吐, 傾眠, 臨床検査値に有意差は認めなかった. 【結論】FPはがん治療期から終末期における疼痛治療薬として有用性の高いオピオイドであると考える. Palliat Care Res 2008 ; 3 (1) : 201-208