Amoxycillinの経口投与時における吸収排泄および代謝について

各種動物および健康志願者にAmoxycillinを経口投与し, その血清中濃度をAmpicillinと比較すると, いずれの場合もAmoxycillinの投与によつて約2倍程度高い血清中濃度が得られた。またAmoxycillinの経口投与で, 尿中回収率も全般にAmpicillinの場合より高率であること, および組織内濃度も血清中濃度に対応して高値をとることなどの成績から, Amoxycillinの経口投与によるavailabilityがAmpicillinの場合よりも大きいと考えられる。さらにこの事実は, 両薬剤を非経口的に投与しても尿中排泄率が変わらないこと, および静注時の分布容量など...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 21; no. 8; pp. 1399 - 1408
Main Authors 村川, 武雄, 横田, 好子, 河野, 洋子, 西田, 実, 五島, 瑳智子, 桑原, 章吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1973
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Summary:各種動物および健康志願者にAmoxycillinを経口投与し, その血清中濃度をAmpicillinと比較すると, いずれの場合もAmoxycillinの投与によつて約2倍程度高い血清中濃度が得られた。またAmoxycillinの経口投与で, 尿中回収率も全般にAmpicillinの場合より高率であること, および組織内濃度も血清中濃度に対応して高値をとることなどの成績から, Amoxycillinの経口投与によるavailabilityがAmpicillinの場合よりも大きいと考えられる。さらにこの事実は, 両薬剤を非経口的に投与しても尿中排泄率が変わらないこと, および静注時の分布容量などの検討成績によつても確認された。 両抗生物質の経口投与後, その主要な代謝産物, Penicilloic acid体の排泄を健康志願者について比較したが, Amoxycillinの経口投与によつて, Ampicillinの場合よりも大きな排泄率を示した。これについては動物を用いる実験を通じ, Amoxycillinnが生体内でAmpicillinよりもPenicilloic acidへの代謝をうけ易いのではなく, Amexycillinの経口吸収の絶対量がAmpicillinより多いので, それに対応してPenicilloic acidが生成されたものと判断している。 つぎにAmpicillinについて, すでに報告したTransformation productが, Amoxycillinと腎Homogenateとのincubationによつても生成されることを認めた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.21.1399