スポーツ活動と動機づけ

本稿ではスポーツ活動を,「する」,「みる/しる」,「ささえる」の3つの関わり方から把握した。また,スポーツ活動に関わる人々の発達を,児童期以前,青年期,成人期以降の3つのライフステージで区分した。この3×3の9象限において,参加継続などの肯定的側面と,離脱などの否定的側面2つの視座により,2009―2019年に発刊されたスポーツ活動における動機づけ研究を整理した。先行研究の通覧により,理論ベースの研究は自己決定理論と達成目標理論を援用するものが中心であり,1980年代から続く傾向が確認された。今後の研究課題として,(1)蓄積された知見を実社会に活かすプロジェクトの実施,(2)横断・遡及的な研究...

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Published in教育心理学年報 Vol. 59; pp. 170 - 190
Main Author 梅崎, 高行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本教育心理学会 30.03.2020
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ISSN0452-9650
2186-3091
DOI10.5926/arepj.59.170

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Summary:本稿ではスポーツ活動を,「する」,「みる/しる」,「ささえる」の3つの関わり方から把握した。また,スポーツ活動に関わる人々の発達を,児童期以前,青年期,成人期以降の3つのライフステージで区分した。この3×3の9象限において,参加継続などの肯定的側面と,離脱などの否定的側面2つの視座により,2009―2019年に発刊されたスポーツ活動における動機づけ研究を整理した。先行研究の通覧により,理論ベースの研究は自己決定理論と達成目標理論を援用するものが中心であり,1980年代から続く傾向が確認された。今後の研究課題として,(1)蓄積された知見を実社会に活かすプロジェクトの実施,(2)横断・遡及的な研究からプロスペクティブ・デザインによる研究への移行,そして,(3)参加継続か離脱かの2択を超えて,達成不能な課題に対峙した際の“新たな選択”への注目,以上3点が考えられた。
ISSN:0452-9650
2186-3091
DOI:10.5926/arepj.59.170