難病患者支援従事者研修(保健師等)における演習評価の報告
目的:国立保健医療科学院の難病患者支援従事者研修(保健師等)において,受講者の所属自治体における地域ケアシステム構築に向けて考案・実施した講義・演習方法の評価を行い,今後の演習方法への示唆を得る.方法:2019年度難病研修受講者に対し,受講者の所属自治体における地域ケアシステム構築に向けて考案・実施した講義・演習の評価を,研修直前・直後・ 3 か月後に,質問紙とインタビューにより実施した.結果:全受講者64名中62名(内訳:都道府県25名,政令指定都市・中核市37名)に参加の同意を得た.3か月後の質問紙回答者は43名(内訳:都道府県17名,政令指定都市・中核市26名),であった.そのうち聞き取...
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Published in | 保健医療科学 Vol. 70; no. 5; pp. 522 - 531 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
国立保健医療科学院
28.12.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1347-6459 2432-0722 |
DOI | 10.20683/jniph.70.5_522 |
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Summary: | 目的:国立保健医療科学院の難病患者支援従事者研修(保健師等)において,受講者の所属自治体における地域ケアシステム構築に向けて考案・実施した講義・演習方法の評価を行い,今後の演習方法への示唆を得る.方法:2019年度難病研修受講者に対し,受講者の所属自治体における地域ケアシステム構築に向けて考案・実施した講義・演習の評価を,研修直前・直後・ 3 か月後に,質問紙とインタビューにより実施した.結果:全受講者64名中62名(内訳:都道府県25名,政令指定都市・中核市37名)に参加の同意を得た.3か月後の質問紙回答者は43名(内訳:都道府県17名,政令指定都市・中核市26名),であった.そのうち聞き取り調査の参加者は15名(内訳:都道府県 5 名,政令指定都市・中核市10名),であった.都道府県と政令指定都市・中核市両者を合わせた(以下,全体とする)のストラクチャー評価では,演習Ⅰは53.3%,演習Ⅱは36.7%が「時間不足」と回答した.プロセス評価では,グループ構成や演習時間や事例の適否等に関する自由記述が得られた.アウトプット評価では,到達目標の自己評点「概ねできる」が研修直後は75.0%と最多となったが, 3 か月後は65.1%となった.アウトカム評価では,演習で立案した活動計画は, 3 か月後に「ほとんど進んでいない」が20.7%で,理由は「保健師の体制やニーズが考慮されていない」等であった.以上の全体の結果は,都道府県と政令指定都市・中核市の 2 群に分けてた場合も同様であった.考察:演習の時間不足を補い,実効性の高い活動計画立案に向けて,研修に先立つ事前学習と,個別の情報を集約するアセスメントツール等の充実が求められる. |
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ISSN: | 1347-6459 2432-0722 |
DOI: | 10.20683/jniph.70.5_522 |