工業原料を用いたγ-2CaO・SiO2の製造とその二酸化炭素排出量の評価

比較的純度の高い石灰石とケイ石を選定すれば、ロータリーキルンの焼成でγ-C2Sを得ることができる。焼成後に得られたサンプル中のAl2O3は約1.7mass%でFe2O3は約0.1mass%だった。焼点温度は1450~1500℃であった。また、冷却過程で特別な操作を行わなくてもγ-2CaO・SiO2を得ることができた。石灰石とケイ石からγ-C2Sを製造するときのCO2排出量は695.6kg-CO2/tとなり、普通セメントの場合より小さい値となった。CaO原料を工業的に副生した水酸化カルシウムに替えてもγ-C2Sを焼成できた。原料の脱炭酸によるCO2排出量がないため、石灰石を用いた場合と比べて、γ...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 64; no. 1; pp. 29 - 34
Main Authors 横関, 康祐, 盛岡, 実, 山本, 賢司, 取違, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2010
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ISSN0916-3182
2187-3313
DOI10.14250/cement.64.29

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Summary:比較的純度の高い石灰石とケイ石を選定すれば、ロータリーキルンの焼成でγ-C2Sを得ることができる。焼成後に得られたサンプル中のAl2O3は約1.7mass%でFe2O3は約0.1mass%だった。焼点温度は1450~1500℃であった。また、冷却過程で特別な操作を行わなくてもγ-2CaO・SiO2を得ることができた。石灰石とケイ石からγ-C2Sを製造するときのCO2排出量は695.6kg-CO2/tとなり、普通セメントの場合より小さい値となった。CaO原料を工業的に副生した水酸化カルシウムに替えてもγ-C2Sを焼成できた。原料の脱炭酸によるCO2排出量がないため、石灰石を用いた場合と比べて、γ-C2Sの製造に係るCO2排出量を159.3kg-CO2/tと大幅に低減できる。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.64.29