どもの気になる⾏動の捉え⽅と⼦どもの内⾯理解についての⼀考察

本稿では、⼦どもの気になる⾏動の捉え⽅と⼦どもの内⾯理解について、保育者の語りを事例として⽤いながら考察した。気になる⾏動をする⼦どもの気持ちを理解できずに悩んでいる時、保育者は、その⼦がその⾏動によって何らかの意図を表わしていると考えて、その意図を理解しようとしがちである。しかし、その⾏動によって表しているその⼦の意図を理解しようとすることは、その⾏動に表れているその⼦の気持ちを理解しようとすることと同⼀ではない。本稿の事例では、当事者研究における「問題と⼈との切り離し作業」を援⽤して、⼦どもの気になる⾏動とその⼦の意図を切り離すことで、その⼦が気になる⾏動をすることになってしまう要因を探っ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in児童学研究 Vol. 49; pp. 48 - 55
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家政学会児童学部会 15.03.2025
Online AccessGet full text
ISSN2434-4508
2436-567X
DOI10.50990/jchild.49.0_48

Cover

More Information
Summary:本稿では、⼦どもの気になる⾏動の捉え⽅と⼦どもの内⾯理解について、保育者の語りを事例として⽤いながら考察した。気になる⾏動をする⼦どもの気持ちを理解できずに悩んでいる時、保育者は、その⼦がその⾏動によって何らかの意図を表わしていると考えて、その意図を理解しようとしがちである。しかし、その⾏動によって表しているその⼦の意図を理解しようとすることは、その⾏動に表れているその⼦の気持ちを理解しようとすることと同⼀ではない。本稿の事例では、当事者研究における「問題と⼈との切り離し作業」を援⽤して、⼦どもの気になる⾏動とその⼦の意図を切り離すことで、その⼦が気になる⾏動をすることになってしまう要因を探った。その要因に思い⾄ることによって、保育者はその⼦の姿に⾝を重ね、その⼦の気持ちを感じて、受け⽌めることができ、それに応じるための援助を導き出した。気になる⾏動をする⼦どもの内⾯理解とは、理解という⾔葉を⽤いてはいるが、その⼦の内⾯を対象として捉えることではなく、⾝をもってその⼦の気持ちが感じられて、受け⽌めることができるようになることを意味するのだと考える。
ISSN:2434-4508
2436-567X
DOI:10.50990/jchild.49.0_48