マクロの視点から周術期輸液管理を考える
われわれ麻酔科医にとって,周術期輸液管理の目的は循環血液量を維持し組織灌流を維持することで,周術期の合併症を最小限に抑えることにある.周術期輸液量と術後合併症との関連が明らかになるにつれ,過不足のない “ほどほどの輸液”を行うことが重要視されるようになってきている.この “ほどほどの輸液”を目指すための指標の一つとして,特に重症例においては動的指標を用いた輸液管理が近年広く行われるようになってきた.ところが,この動的指標も決して万能なものではない.われわれ麻酔科医は,各パラメータの限界を知り,さまざまな指標を組み合わせることで最適な輸液管理を目指す必要がある....
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 5; pp. 444 - 448 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
15.09.2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.43.444 |
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Summary: | われわれ麻酔科医にとって,周術期輸液管理の目的は循環血液量を維持し組織灌流を維持することで,周術期の合併症を最小限に抑えることにある.周術期輸液量と術後合併症との関連が明らかになるにつれ,過不足のない “ほどほどの輸液”を行うことが重要視されるようになってきている.この “ほどほどの輸液”を目指すための指標の一つとして,特に重症例においては動的指標を用いた輸液管理が近年広く行われるようになってきた.ところが,この動的指標も決して万能なものではない.われわれ麻酔科医は,各パラメータの限界を知り,さまざまな指標を組み合わせることで最適な輸液管理を目指す必要がある. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.43.444 |