ベースライスを用いた新規胃瘻注入用ミキサー食の重症心身障がい児(者)における臨床的有用性の検討
【目的】重症心身障がい児(者)(以下、重症児(者)と略)におけるベースライス法ミキサー食の臨床的有用性について検討する。【対象・方法】べースライス法ミキサー食を導入した重症児(者)27例を導入前の栄養法が栄養剤のみの栄養剤群10例と加水法ミキサー食の加水法群17例に分類し、診療録から導入前後のBMI、血清アルブミン(以下、Albと略)値、摂取エネルギー量を後方視的に検討した。アンケートから導入前後の排便回数、便性、嘔吐頻度、調理・介護時間、感想について検討した。【結果】べースライス法導入前後でBMIは有意差がなく、Alb値は栄養剤群で、総摂取エネルギー量は加水法群で有意に増加した。便性は両群と...
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Published in | 日本静脈経腸栄養学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 647 - 653 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
2018
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Subjects | |
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ISSN | 2189-0161 2189-017X |
DOI | 10.11244/jspen.33.647 |
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Summary: | 【目的】重症心身障がい児(者)(以下、重症児(者)と略)におけるベースライス法ミキサー食の臨床的有用性について検討する。【対象・方法】べースライス法ミキサー食を導入した重症児(者)27例を導入前の栄養法が栄養剤のみの栄養剤群10例と加水法ミキサー食の加水法群17例に分類し、診療録から導入前後のBMI、血清アルブミン(以下、Albと略)値、摂取エネルギー量を後方視的に検討した。アンケートから導入前後の排便回数、便性、嘔吐頻度、調理・介護時間、感想について検討した。【結果】べースライス法導入前後でBMIは有意差がなく、Alb値は栄養剤群で、総摂取エネルギー量は加水法群で有意に増加した。便性は両群とも有意に改善し、嘔吐も改善した。介護時間は56%が短くなったと回答し、「家族と同じ食事を入れられるのがうれしい」という感想が最も多かった。【結論】ベースライス法ミキサー食を導入した重症児(者)において、導入前の栄養法にかかわらず栄養状態は維持改善できた。また消化器症状の改善が認められ、家族の高い満足度が得られた。 |
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ISSN: | 2189-0161 2189-017X |
DOI: | 10.11244/jspen.33.647 |