甲状腺腫瘍に対する内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)と頸部外切開手術の比較検討

内視鏡補助下甲状腺手術(video-assisted neck surgery:VANS)は切開創が前頸部に生じず整容面に優れている。当科では2016年から前胸部外側アプローチのつり上げ式VANS法を導入した。2018年11月までに当科で施行したVANS法による甲状腺片葉切除術35症例と通常の頸部襟状外切開法による甲状腺片葉切除術35症例の臨床データを2群間で比較検討した。VANS群は襟状切開に比し,女性割合が94.3%と有意に女性が多く,平均年齢が47.3歳と若年であった。VANS群は襟状切開群より,最大腫瘍径が小さいものが選択されており,術中出血量は少量だが,手術時間は約80分長く要し,術...

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Published in頭頸部外科 Vol. 31; no. 1; pp. 19 - 23
Main Authors 二之宮, 貴裕, 高林, 哲司, 成田, 憲彦, 堤内, 俊喜, 藤枝, 重治, 菅野, 真史, 加藤, 幸宣, 前川, 文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2021
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.31.19

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Summary:内視鏡補助下甲状腺手術(video-assisted neck surgery:VANS)は切開創が前頸部に生じず整容面に優れている。当科では2016年から前胸部外側アプローチのつり上げ式VANS法を導入した。2018年11月までに当科で施行したVANS法による甲状腺片葉切除術35症例と通常の頸部襟状外切開法による甲状腺片葉切除術35症例の臨床データを2群間で比較検討した。VANS群は襟状切開に比し,女性割合が94.3%と有意に女性が多く,平均年齢が47.3歳と若年であった。VANS群は襟状切開群より,最大腫瘍径が小さいものが選択されており,術中出血量は少量だが,手術時間は約80分長く要し,術後ドレーン総排液量も多かった。VANS群の合併症は一過性反回神経麻痺5例,術後出血1例,創感染1例であった。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.31.19