9Cr鋼のクリープ特性を支配する微視組織の定量分析

超々臨界圧(USC)火力発電プラントの配管には,高温強度の優れた改良9Cr-1Mo鋼が用いられているが,同鋼のクリープ破断強度は,長時間側で想定よりも低い傾向にある。USC火力発電の多くは運転時間が10万時間を超えており,20万時間に達しつつあるプラントも増えてきており,長時間使用時における同鋼の余寿命評価は重要な課題の一つとなっている。このため,長期間使用された改良9Cr-1Mo鋼について,微視組織観察とクリープ寿命評価に取り組んでいる。その結果,クリープ特性と微細なV系析出物の数密度の間に正の相関関係を見出し,余寿命評価において微視組織観察が有効な手段の一つとなることを示した。...

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Published in火力原子力発電大会論文集 Vol. 73; no. 1; pp. 46 - 54
Main Authors 屋, 口 正 次, 加, 古 謙 司, 南, 雄 介, 山, 田 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 火力原子力発電技術協会 2022
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ISSN2187-929X
2187-929X
DOI10.14942/tenpes.73.46

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Summary:超々臨界圧(USC)火力発電プラントの配管には,高温強度の優れた改良9Cr-1Mo鋼が用いられているが,同鋼のクリープ破断強度は,長時間側で想定よりも低い傾向にある。USC火力発電の多くは運転時間が10万時間を超えており,20万時間に達しつつあるプラントも増えてきており,長時間使用時における同鋼の余寿命評価は重要な課題の一つとなっている。このため,長期間使用された改良9Cr-1Mo鋼について,微視組織観察とクリープ寿命評価に取り組んでいる。その結果,クリープ特性と微細なV系析出物の数密度の間に正の相関関係を見出し,余寿命評価において微視組織観察が有効な手段の一つとなることを示した。
ISSN:2187-929X
2187-929X
DOI:10.14942/tenpes.73.46