2. NK細胞によるウィルス感染細胞認識機構

NK細胞はウィルス感染細胞や腫瘍細胞に細胞障害性を持つ細胞として, 生体防御において重要な機能を担っていると考えられている. NK細胞の標的細胞認識機構は長年不明であったが, 最近, ようやくある種のNK細胞レセプターが特異的にウイルス産物を認識することが明らかになってきた. さらに, NK細胞レセプターは, 活性化と抑制化からなるペア型レセプターを形成するが, それらによるウィルス感染細胞の認識パターンがウィルスに対する感染抵抗性を決定していることが判明した. そこで, 本稿ではNK細胞によるウィルス感染細胞の認識機構を中心に, 最近の知見をふまえ紹介する....

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Bibliographic Details
Published inウイルス Vol. 54; no. 2; pp. 153 - 160
Main Authors 荒瀬, 尚, 白鳥, 行大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ウイルス学会 2004
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ISSN0042-6857
1884-3433
DOI10.2222/jsv.54.153

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Summary:NK細胞はウィルス感染細胞や腫瘍細胞に細胞障害性を持つ細胞として, 生体防御において重要な機能を担っていると考えられている. NK細胞の標的細胞認識機構は長年不明であったが, 最近, ようやくある種のNK細胞レセプターが特異的にウイルス産物を認識することが明らかになってきた. さらに, NK細胞レセプターは, 活性化と抑制化からなるペア型レセプターを形成するが, それらによるウィルス感染細胞の認識パターンがウィルスに対する感染抵抗性を決定していることが判明した. そこで, 本稿ではNK細胞によるウィルス感染細胞の認識機構を中心に, 最近の知見をふまえ紹介する.
ISSN:0042-6857
1884-3433
DOI:10.2222/jsv.54.153