なぜ産業保健でオープンダイアローグなのか
産業保健におけるオープンダイアローグの可能性と実践方法について論じた.オープンダイアローグ面接に臨むスタッフは,役割や専門性をいったん脇に置き,相談者の辛さや抱える困難に共感しながら話を聞いてみる.リフレクティングのコツとしては,相談者の方を見ないこと,マイナス評価を控え相談者の言動を肯定的に捉えること,いいことを話そうと思わないことが挙げられる.面接の場で「たくさんの声」(ポリフォニー)が語られることを大切にし,結論を急がないこと(不確実性の耐性)が何よりも重要である.オープンダイアローグ導入によって休職予防や心身の不調者の状況改善,さらには復職支援にも助けになり,従業員のメンタルヘルスと職...
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Published in | 産業精神保健 Vol. 33; no. 2; pp. 102 - 107 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本産業精神保健学会
20.06.2025
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2862 2758-1101 |
DOI | 10.57339/jjomh.33.2_102 |
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Summary: | 産業保健におけるオープンダイアローグの可能性と実践方法について論じた.オープンダイアローグ面接に臨むスタッフは,役割や専門性をいったん脇に置き,相談者の辛さや抱える困難に共感しながら話を聞いてみる.リフレクティングのコツとしては,相談者の方を見ないこと,マイナス評価を控え相談者の言動を肯定的に捉えること,いいことを話そうと思わないことが挙げられる.面接の場で「たくさんの声」(ポリフォニー)が語られることを大切にし,結論を急がないこと(不確実性の耐性)が何よりも重要である.オープンダイアローグ導入によって休職予防や心身の不調者の状況改善,さらには復職支援にも助けになり,従業員のメンタルヘルスと職場環境改善に貢献できると考える.「初めてオープンダイアローグ面接に参加するスタッフへ」というリーフレットを作成したので活用されたい. |
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ISSN: | 1340-2862 2758-1101 |
DOI: | 10.57339/jjomh.33.2_102 |