急ぎ・焦りエラーに関する体験型教育の効果

本研究では,急ぎ・焦りによって誘発される不安全行動に対して,体験型の安全教育を実施することで態度・行動について安全側への変容が見られるかどうかを実験的に検討した。参加者81名を教育群40名と統制群41名に割り当て,急ぎ・焦りエラーに関する体験型教育を教育群に実施した。教育群は,実施する課題について制限時間を設定することで,急ぎ・焦り状況下にて課題成績が低下することを体験した。統制群は,急ぎ・焦りと無関係な課題を実施した。質問紙にて測定された急ぎ・焦りに関連する態度や行動について,教育前(Time 1),教育直後(Time 2),教育から1か月後(Time 3)での変化を検討した。その結果,統制...

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Published in労働科学 Vol. 94; no. 4; pp. 99 - 107
Main Authors 森泉, 慎吾, 臼井, 伸之介, 和田, 一成, 上田, 真由子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人大原記念労働科学研究所 2019
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Summary:本研究では,急ぎ・焦りによって誘発される不安全行動に対して,体験型の安全教育を実施することで態度・行動について安全側への変容が見られるかどうかを実験的に検討した。参加者81名を教育群40名と統制群41名に割り当て,急ぎ・焦りエラーに関する体験型教育を教育群に実施した。教育群は,実施する課題について制限時間を設定することで,急ぎ・焦り状況下にて課題成績が低下することを体験した。統制群は,急ぎ・焦りと無関係な課題を実施した。質問紙にて測定された急ぎ・焦りに関連する態度や行動について,教育前(Time 1),教育直後(Time 2),教育から1か月後(Time 3)での変化を検討した。その結果,統制群はTime 1からTime 3にかけて態度,行動ともに変化が見られなかった一方,教育群はTime 1からTime 2にかけて態度が安全側に変容し,Time 3でも維持される傾向が推察された。本研究の結果を踏まえ,実施した安全教育の有効性や本研究の問題点について議論した。(図4 表1)
ISSN:0022-443X
2187-2570
DOI:10.11355/isljsl.94.99