診断群分類に基づく診療報酬支払制度データから検討したICU収支の現状(第2報):生命維持装置使用の有無と在室日数による解析

日本集中治療医学会社会保険対策委員会は,診断群分類に基づく診療報酬支払制度における関連データを用いてICUの収入と原価を算出比較し,現在の診療報酬制度の下では基本的に原価割れ状態にあることを明らかにしてきた。今回,生命維持装置(人工呼吸器,血液浄化装置)の使用の有無ならびにICU在室日数に着目して比較検討した。その結果,本邦では特定集中治療室入室患者の約9割が7日以内に退室し,在室日数が長いほど支出超過が増大すると共に,生命維持装置を用いた診療の有無がICU収支の原価割れに大きく影響していることが判明した。今後は本邦における特定集中治療室の層別化に加え,診療プロセスの視点を含めたより適正な診療...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 20; no. 3; pp. 431 - 434
Main Author 日本集中治療医学会社会保険対策委員会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 2013
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.20.431

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Summary:日本集中治療医学会社会保険対策委員会は,診断群分類に基づく診療報酬支払制度における関連データを用いてICUの収入と原価を算出比較し,現在の診療報酬制度の下では基本的に原価割れ状態にあることを明らかにしてきた。今回,生命維持装置(人工呼吸器,血液浄化装置)の使用の有無ならびにICU在室日数に着目して比較検討した。その結果,本邦では特定集中治療室入室患者の約9割が7日以内に退室し,在室日数が長いほど支出超過が増大すると共に,生命維持装置を用いた診療の有無がICU収支の原価割れに大きく影響していることが判明した。今後は本邦における特定集中治療室の層別化に加え,診療プロセスの視点を含めたより適正な診療報酬体系を構築する必要がある。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.20.431