VR 空間を用いた印象評価実験による居室の目的に適した壁紙の色と模様に関する研究

より室内空間の雰囲気に適した壁紙の色・模様を明らかにすることを目的に,VRを用いて印象評価の心理実験を行った.我々(2019)1)は,大人っぽいイメージには無彩色や植物の形の模様が,親しみやすいイメージにはY系や円の模様の方がふさわしいことなどを明らかにした.しかし,集中したい時にふさわしい壁紙や,模様の大きさについて未検討であったため,本研究では模様の大きさを変数に加えて実験を行った. 実験は,VR空間に作成した実験刺激を,HMDを用いて被験者に呈示して行った印象評価実験である.実験刺激は,模様の形・大きさ・色相・色数を変数として自作した壁紙デザインを用いて作成した約7畳の室内空間である. ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本色彩学会誌 Vol. 44; no. 3; p. 229
Main Authors 阿部, 楓子, 庄, 怡, 玉置, 淳, 山本, 早里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本色彩学会 01.05.2020
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:より室内空間の雰囲気に適した壁紙の色・模様を明らかにすることを目的に,VRを用いて印象評価の心理実験を行った.我々(2019)1)は,大人っぽいイメージには無彩色や植物の形の模様が,親しみやすいイメージにはY系や円の模様の方がふさわしいことなどを明らかにした.しかし,集中したい時にふさわしい壁紙や,模様の大きさについて未検討であったため,本研究では模様の大きさを変数に加えて実験を行った. 実験は,VR空間に作成した実験刺激を,HMDを用いて被験者に呈示して行った印象評価実験である.実験刺激は,模様の形・大きさ・色相・色数を変数として自作した壁紙デザインを用いて作成した約7畳の室内空間である. 実験結果より,二種類の部屋に対して,それぞれふさわしい色・模様を明らかにした.1つ目は,「より集中できる部屋」で,色数は二色,模様の大きさは4cmのものがよりふさわしい.2つ目は「より居心地の良い部屋」で,色相はY系,色数は六色のものがふさわしいということが分かった.1)庄怡,阿部楓子,山本早里:室内空間の雰囲気に適した壁紙−壁紙の色と模様による心理効果の実験−, 日本色彩学会誌43(3+),pp. 103-106, 2019
ISSN:0389-9357
2189-552X
DOI:10.15048/jcsaj.44.3__229