ビーライトの水和活性制御に関する研究─MgOを多く含む高ビーライトセメントの強さ改善

鉱物組成と粉末度はセメントの品質に大きく影響を与える。一方、高ビーライトセメントでは、これら2要因以外に鉱物の活性の影響も大きい。近年の研究でビーライトの活性は固溶する少量成分に大きく依存することが分かっている1)。本研究ではC2S固溶体及び高ビーライトクリンカーの解析を通じ、固溶少量成分とビーライトの活性の関係を調査した。対象とした少量成分は現実的な商用製造を念頭にMgO、SO3、及びP2O5の3種とし、一部の交互作用も評価した。この結果、MgOを2%以上含むがゆえに水和活性の低い高ビーライトクリンカーでも、SO3を0.6%程度まで増加させることで品質改善を達成できることを明らかにした。...

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Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 70; no. 1; pp. 61 - 68
Main Authors 大野, 麻衣子, 新島, 瞬, 黒川, 大亮, 平尾, 宙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2016
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Summary:鉱物組成と粉末度はセメントの品質に大きく影響を与える。一方、高ビーライトセメントでは、これら2要因以外に鉱物の活性の影響も大きい。近年の研究でビーライトの活性は固溶する少量成分に大きく依存することが分かっている1)。本研究ではC2S固溶体及び高ビーライトクリンカーの解析を通じ、固溶少量成分とビーライトの活性の関係を調査した。対象とした少量成分は現実的な商用製造を念頭にMgO、SO3、及びP2O5の3種とし、一部の交互作用も評価した。この結果、MgOを2%以上含むがゆえに水和活性の低い高ビーライトクリンカーでも、SO3を0.6%程度まで増加させることで品質改善を達成できることを明らかにした。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.70.61