2度の心停止を呈したTypeⅠ先天性筋強直性ジストロフィー患児の麻酔経験

筋強直性ジストロフィーは麻酔管理上,不整脈や悪性高熱症の発症が問題となる.症例は1歳8カ月の男児で身長82cm,体重7.2kg.停留精巣固定術が予定された.出生は31週6日,出生時体重は2,075g,APGAR scoreは2点~5点であり,先天性筋強直性ジストロフィーと診断された.日齢143日と146日には心室頻拍と心停止の経過を有した.麻酔は全静脈麻酔で計画した.除細動パッドを装着し,声門上器具で気道確保した後,仙骨硬膜外麻酔を行った.合併症の増悪なく術後4日目に退院した.致死性不整脈の既往をもつ筋強直性ジストロフィー患者に対して,病勢を把握し適切な麻酔管理を計画することで安全に麻酔するこ...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 43; no. 5; pp. 391 - 394
Main Authors 廣瀬, 友基, 神山, 洋一郎, 保利, 直助, 髙橋, 伸二, 大和田, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.09.2023
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.43.391

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Summary:筋強直性ジストロフィーは麻酔管理上,不整脈や悪性高熱症の発症が問題となる.症例は1歳8カ月の男児で身長82cm,体重7.2kg.停留精巣固定術が予定された.出生は31週6日,出生時体重は2,075g,APGAR scoreは2点~5点であり,先天性筋強直性ジストロフィーと診断された.日齢143日と146日には心室頻拍と心停止の経過を有した.麻酔は全静脈麻酔で計画した.除細動パッドを装着し,声門上器具で気道確保した後,仙骨硬膜外麻酔を行った.合併症の増悪なく術後4日目に退院した.致死性不整脈の既往をもつ筋強直性ジストロフィー患者に対して,病勢を把握し適切な麻酔管理を計画することで安全に麻酔することができた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.43.391