超音波気管支鏡ガイド下生検(EBUS-TBNA)におけるプロポフォール・デクスメデトミジン併用鎮静の有用性と安全性の検討

背景.超音波気管支鏡ガイド下生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)での鎮静にはミダゾラムが多く使用されている.しかし,被験者の咳嗽により穿刺操作が困難となり,検査時間延長となる場合が少なくない.これに対し鎮静薬を組み合わせて使用し,安全かつ効果的に鎮静を得る方法の報告がなされている.目的.EBUS-TBNAでの鎮静にプロポフォール・デクスメデトミジンを併用し,ミダゾラムでの鎮静と比較を行い,その有用性と安全性を検討した.対象と方法.2016年6月から2017年12月に横浜市立大...

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Published in気管支学 Vol. 41; no. 6; pp. 563 - 568
Main Authors 片倉, 誠悟, 久保, 創介, 工藤, 誠, 三神, 直人, 金子, 猛, 平馬, 暢之, 神巻, 千聡, 山本, 昌樹, 鄭, 慶鎬, 相子, 寛子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.11.2019
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.41.6_563

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Summary:背景.超音波気管支鏡ガイド下生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)での鎮静にはミダゾラムが多く使用されている.しかし,被験者の咳嗽により穿刺操作が困難となり,検査時間延長となる場合が少なくない.これに対し鎮静薬を組み合わせて使用し,安全かつ効果的に鎮静を得る方法の報告がなされている.目的.EBUS-TBNAでの鎮静にプロポフォール・デクスメデトミジンを併用し,ミダゾラムでの鎮静と比較を行い,その有用性と安全性を検討した.対象と方法.2016年6月から2017年12月に横浜市立大学附属市民総合医療センターでEBUS-TBNAを行われた39人を対象とした.EBUSで観察を行ったが生検を行わなかった症例は除外した.EBUS-TBNAの手技はすべて軟性気管支鏡を使用した挿管後に実施された.ミダゾラムで鎮静を行った群(M群)とプロポフォール・デクスメデトミジン併用で鎮静を行った群(PD群)を後方視的に比較し,検査時間,診断率,有害事象の頻度について検討を行った.結果.穿刺回数は両群で差が明らかでなかったが,穿刺1回あたりに要する時間はPD群で有意に短縮がみられた.結果として,EBUSスコープに変更してから手技完了,検査終了までの時間はPD群で有意な短縮が認められた(19.4±7.9分 vs 34.2±9.7分,p <0.0001).有害事象の頻度はM群でより低い結果となったが,両群ともに重篤な有害事象は観察されなかった.結論.EBUS-TBNAを実施する場合にプロポフォール・デクスメデトミジン併用での鎮静は,ミダゾラムと比較し検査時間の短縮が得られる可能性が示唆され,慎重なモニタリングと適切な対応が行えれば安全に使用可能であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.41.6_563