岡山県における小児重症外傷に関する疫学調査および必要医療資源の算定(多施設共同研究)

【目的】岡山県における小児重症外傷の疫学情報,治療成績を調査し,小児外傷医療の最適化に資すること。【方法】対象は2008年1月1日から2010年12月31日までの3年間に,外傷を原因としてICUへ入院した14歳以下の患者。県内で特定集中治療室管理料または救命救急入院料を算定している13病院中,小児重症外傷を受け入れていると回答を得た9病院に後方視的調査を行った。【結果】対象患者は149人で,全体の79.9%が救命救急センターに収容されていた。県全域での在室患者数は2人/day以下が全体の97.1%(1,064 day/1,096 day)であった。これにより,小児外傷ICU(pediatric...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 22; no. 5; pp. 405 - 410
Main Authors 椎野, 泰和, 宮本, 聡美, 杉浦, 潤, 竹原, 延治, 高橋, 治郎, 堀田, 敏弘, 井上, 貴博, 鈴木, 幸一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 2015
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Summary:【目的】岡山県における小児重症外傷の疫学情報,治療成績を調査し,小児外傷医療の最適化に資すること。【方法】対象は2008年1月1日から2010年12月31日までの3年間に,外傷を原因としてICUへ入院した14歳以下の患者。県内で特定集中治療室管理料または救命救急入院料を算定している13病院中,小児重症外傷を受け入れていると回答を得た9病院に後方視的調査を行った。【結果】対象患者は149人で,全体の79.9%が救命救急センターに収容されていた。県全域での在室患者数は2人/day以下が全体の97.1%(1,064 day/1,096 day)であった。これにより,小児外傷ICU(pediatric trauma ICU, PT-ICU)の必要病床数は14歳以下人口10万人当たり1床程度と推測された。【結論】岡山県では小児重症外傷患者は集約的に収容されており,その治療成績も妥当であった。必要病床数を救命救急センターに整備し,さらなる治療成績の向上を計るべきである。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.22.405