冠動脈ステント内で抜去不能となった血管内超音波(IVUS)カテーテルを外科的に摘除した1例

経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Coronary Intervention, PCI)における血管内超音波(intravascular ultrasound, IVUS)カテーテルの遺残は非常に稀ではあるが,いったん発症すれば,重篤な合併症を起こす.今回われわれは,冠動脈ステント内で抜去不能となったIVUSカテーテルを外科的に摘除した1例を経験したので報告する.症例は80歳,男性.突然の前胸部痛を認めたために近医に搬送され,左回旋枝と前下行枝の2カ所にPCIを施行した.その後IVUSで前下行枝に留置したステントの拡張を確認しようとしたところ,ステントに絡まり抜去不能となったために...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 49; no. 6; pp. 362 - 365
Main Authors 井上, 健太郎, 新保, 秀人, 近藤, 智昭, 矢田, 真希, 澤田, 康裕, 湯浅, 右人, 鈴木, 仁之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.11.2020
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.49.362

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Summary:経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Coronary Intervention, PCI)における血管内超音波(intravascular ultrasound, IVUS)カテーテルの遺残は非常に稀ではあるが,いったん発症すれば,重篤な合併症を起こす.今回われわれは,冠動脈ステント内で抜去不能となったIVUSカテーテルを外科的に摘除した1例を経験したので報告する.症例は80歳,男性.突然の前胸部痛を認めたために近医に搬送され,左回旋枝と前下行枝の2カ所にPCIを施行した.その後IVUSで前下行枝に留置したステントの拡張を確認しようとしたところ,ステントに絡まり抜去不能となったために当院へ搬送されて手術を施行した.前下行枝のステント末梢端を切開して,IVUSカテーテルを絡まったステントとともに抜去した.切開部位は連続縫合閉鎖し,その末梢と狭窄を認めていた高位側壁枝の2カ所に冠動脈バイパスを施行した.術後経過は良好で,グラフトもすべて開存していた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.49.362