クオラムセンシング物質ファルネゾールとその類似化合物が Candida tropicalis の増殖と二形性に及ぼす影響
菌糸形成を抑制する C. albicans のクオラムセンシング(定足数感知)物質として同定され、菌糸形成を抑制するとされるファルネゾールやその類似化合物(1-デカノール、1-ドデカノール)ついて(1)、類縁種 C. tropicalis の Pk233 株に対する影響を調べた。菌の増殖には、グルコース(0.11 M)を炭素源とする合成液体培地(酵母増殖用の対照培地)、およびエタノール(0.43 M)をさらに添加した菌糸誘導用のエタノール培地を用い、30°Cで振とう培養を行った。25 μM 以下の濃度でこれらの物質を対照培地に添加したところ、いずれも酵母型増殖に有意な影響は見られなかった。しか...
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Published in | 日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 p. 64 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医真菌学会
2005
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Subjects | |
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ISSN | 0916-4804 |
DOI | 10.11534/jsmm.49.0.64.0 |
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Summary: | 菌糸形成を抑制する C. albicans のクオラムセンシング(定足数感知)物質として同定され、菌糸形成を抑制するとされるファルネゾールやその類似化合物(1-デカノール、1-ドデカノール)ついて(1)、類縁種 C. tropicalis の Pk233 株に対する影響を調べた。菌の増殖には、グルコース(0.11 M)を炭素源とする合成液体培地(酵母増殖用の対照培地)、およびエタノール(0.43 M)をさらに添加した菌糸誘導用のエタノール培地を用い、30°Cで振とう培養を行った。25 μM 以下の濃度でこれらの物質を対照培地に添加したところ、いずれも酵母型増殖に有意な影響は見られなかった。しかしエタノール培地に添加したところ、いずれも増殖に遅滞を生じ、培養後期における菌糸形成が抑制された。菌糸形成抑制の程度はファルネゾールが最も大きかった。これらの結果は、ファルネゾールが C. albicans 以外の酵母でもクオラムセンシング物質としてはたらく可能性のあることを示唆している。<参考文献>(1) Hogan DA, Vik A, Kolter R (2004) Mol Microbiol 54(5):1212-23. |
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Bibliography: | P-24 |
ISSN: | 0916-4804 |
DOI: | 10.11534/jsmm.49.0.64.0 |