P2-7 ペプチドGPI誘導関節炎における抗シトルリン化タンパク質抗体(ACPA)の産生機構

  【目的】ペプチドGPI誘導関節炎モデルマウス(pGIA)におけるシトルリン化タンパク質の関与を明らかにする.【方法】1)pGIAにおいて,血清中の抗pGPI抗体価,ACPAを測定した.2)シトルリン化タンパク質の発現解析のため,関節,皮膚の免疫組織化学染色,血清のウェスタンブロットを行った.3)Cl-amidine(PAD inhibitor)を投与し,関節炎やACPA,シトルリン化タンパク質発現,サイトカイン産生,抗原特異的T細胞応答について比較検討した.【結果】1)血清中の抗pGPI抗体価,ACPAはcontrol群と比較すると有意に上昇した.2)day14関節,day7皮膚において,...

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Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 40; no. 4; p. 310c
Main Authors 松本, 功, 坪井, 洋人, 住田, 孝之, 江辺, 広志, 川口, 星美, 梅田, 直人, 近藤, 裕也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2017
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ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.40.310c

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Summary:  【目的】ペプチドGPI誘導関節炎モデルマウス(pGIA)におけるシトルリン化タンパク質の関与を明らかにする.【方法】1)pGIAにおいて,血清中の抗pGPI抗体価,ACPAを測定した.2)シトルリン化タンパク質の発現解析のため,関節,皮膚の免疫組織化学染色,血清のウェスタンブロットを行った.3)Cl-amidine(PAD inhibitor)を投与し,関節炎やACPA,シトルリン化タンパク質発現,サイトカイン産生,抗原特異的T細胞応答について比較検討した.【結果】1)血清中の抗pGPI抗体価,ACPAはcontrol群と比較すると有意に上昇した.2)day14関節,day7皮膚において,シトルリン化タンパク質の発現を認めた.血清では,pGIAのday14において約120 kDのシトルリン化タンパク質を検出した.3)Cl-amidine投与により,関節炎のclinical scoreは有意に低下した.ACPAは低下傾向にあり,関節,皮膚,血清中のシトルリン化タンパク質発現は有意に抑制された.血清中のIL-6は有意に減少し,抗原特異的T細胞応答には変化は認められなかった.【結論】PADの活性化とそれに伴うシトルリン化タンパク質の増加,及びACPAの産生が,自己免疫性関節炎の発症や維持に関与していることが示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.40.310c