胃癌手術症例におけるmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)を用いた長期予後に関する検討

胃癌手術症例における長期予後の危険因子としてのmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)の意義を検討した.対象は2003 年10 月~2012 年12 月までの胃癌手術症例76例である.mGPS は三木らの分類に準じ,Alb≧3.5g/dL かつCRP<0.5mg/dL をA 群(55 例),Alb<3.5g/dL かつCRP<0.5mg/dL をB 群(9 例),Alb≧3.5g/dL かつCRP≧0.5mg/dL をC 群(5 例),Alb<3.5g/dL かつCRP≧0.5mg/dL をD 群(7 例) とした.長期予後の危険因子は,出血量,既往症,遠...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 47; no. 6; pp. 177 - 184
Main Authors 石井, 俊一, 鈴木, 正明, 神崎, 憲雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2013
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.47.6_177

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Summary:胃癌手術症例における長期予後の危険因子としてのmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)の意義を検討した.対象は2003 年10 月~2012 年12 月までの胃癌手術症例76例である.mGPS は三木らの分類に準じ,Alb≧3.5g/dL かつCRP<0.5mg/dL をA 群(55 例),Alb<3.5g/dL かつCRP<0.5mg/dL をB 群(9 例),Alb≧3.5g/dL かつCRP≧0.5mg/dL をC 群(5 例),Alb<3.5g/dL かつCRP≧0.5mg/dL をD 群(7 例) とした.長期予後の危険因子は,出血量,既往症,遠隔転移,術後せん妄,mGPS C 群,mGPS D群が多変量解析の結果有意差を認めた.mGPS の群別の生存期間はA 群に比べて他の3群はいずれも有意に短く,mGPS は長期予後の危険因子となる可能性が示唆された.また胃癌では術前のCRP の上昇を伴わないhypoalbuminemia が予後に影響を及ぼす可能性が示唆され,mGPS の4 群は疾患特異的にそれぞれに意味を持つ可能性があり,4 群独立して検討するのがよいと考えた.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.47.6_177