家族支援専門看護師の活動に関する実態調査(第1報)―Web調査報告
家族支援専門看護師(Certified Nurse Specialist in Family Health Nursing: FCNS)は2008年に誕生し,家族看護をスペシャリティとして活動しているが,その実践が診療報酬に直結する議論の土台に乗りにくい現状がある.そこで本調査は,FCNSの活動実態を明らかにし,その実践を可視化することで,FCNSの実践を診療報酬に反映させていくための基礎資料を得ることを目的として行った.調査対象は日本看護協会に登録されたFCNSであり,Google Formsを用いたWeb調査を実施した.調査の結果,29名のFCNSから回答が得られ,対象者の約7割が病院に所...
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Published in | 家族看護学研究 Vol. 30; pp. 122 - 133 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本家族看護学会
31.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 1341-8351 2758-8424 |
DOI | 10.60320/jarfn.30.0_122 |
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Summary: | 家族支援専門看護師(Certified Nurse Specialist in Family Health Nursing: FCNS)は2008年に誕生し,家族看護をスペシャリティとして活動しているが,その実践が診療報酬に直結する議論の土台に乗りにくい現状がある.そこで本調査は,FCNSの活動実態を明らかにし,その実践を可視化することで,FCNSの実践を診療報酬に反映させていくための基礎資料を得ることを目的として行った.調査対象は日本看護協会に登録されたFCNSであり,Google Formsを用いたWeb調査を実施した.調査の結果,29名のFCNSから回答が得られ,対象者の約7割が病院に所属し,約9割が非専従として活動していた.また,FCNSの活動範囲は所属施設外に及ぶものが多く,他分野の認定看護師や専門看護師との協働も多岐にわたっていたが,診療報酬に含まれない活動が多いことが示された.さらにFCNSとしての実践においては,患者を含めた家族とその家族を支える多職種を,早期に,予測性を持ってダイナミックに捉え,各々の関係性を把握しながら連携,調整等の介入を行っていることが明らかとなった.本調査の結果から,FCNSの多様な活動実態や専門性が明らかになった.今後は,FCNSの実践に関するアウトカムの評価やエビデンス構築を目指した研究の蓄積が求められる. |
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ISSN: | 1341-8351 2758-8424 |
DOI: | 10.60320/jarfn.30.0_122 |