CaO・(2-n)Al2O3・nFe2O3連続固溶体化合物の生成プロセスのその場観察

Grossite(CaO・2Al2O3)の単一相を得るためには、通常1600℃以上の高温で焼成する必要がある。一方で、この組成に対してFe2O3を添加すると1400℃と比較的低温条件でGrossiteを合成できることが報告されていた。今回、Fe2O3を含有する試料(CaO・(2-x)Al2O3・nFe2O3)を高温顕微鏡観察、SEM-EDS分析、高温X線回折を駆使することで、焼成のその場観察によりFe2O3の役割を分析した。その結果、Fe2O3は1100℃と比較的低温条件において、カルシウムフェライト組成の融液を生成し、Al2O3の拡散を促すことが判明した。また、カルシウムフェライト系化合物の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inセメント・コンクリート論文集 Vol. 71; no. 1; pp. 87 - 92
Main Authors 蔵本, 悠太, 森, 泰一郎, 盛岡, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 セメント協会 2017
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Grossite(CaO・2Al2O3)の単一相を得るためには、通常1600℃以上の高温で焼成する必要がある。一方で、この組成に対してFe2O3を添加すると1400℃と比較的低温条件でGrossiteを合成できることが報告されていた。今回、Fe2O3を含有する試料(CaO・(2-x)Al2O3・nFe2O3)を高温顕微鏡観察、SEM-EDS分析、高温X線回折を駆使することで、焼成のその場観察によりFe2O3の役割を分析した。その結果、Fe2O3は1100℃と比較的低温条件において、カルシウムフェライト組成の融液を生成し、Al2O3の拡散を促すことが判明した。また、カルシウムフェライト系化合物の主成分は2CaO・Fe2O3であり、含有するFe原子はAl原子と置換し、最終的にGrossite中に固溶した。
ISSN:0916-3182
2187-3313
DOI:10.14250/cement.71.87