Cryptococcus neoformansと Staphylococcusの相互作用:表面プラズモン共鳴法による Cryptococcus菌体認識部位の検討

【目的】われわれは、C. neoformansの感染成立における他菌種との相互作用に着目し、C. neoformansにS. aureusやS. epidermidisが付着し、Cryptococcusが死滅することを報告した。この度は、さらに2菌種の付着に関与する細胞表層物質とStaphylococcusの認識部位について検討した。【方法】S.aureusはC.neoformansの莢膜主成分glucuronoxylomannan (GXM)のα-1,3 mannanから成る主鎖を認識する可能性が示されていた。そこでmannanからオリゴ糖シリーズを調製し、これらの画分によるS.aureus...

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Published in日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 p. 74
Main Authors 池田, 玲子, 澤村, 果菜子, 山口, 正視, 川本, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2006
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Summary:【目的】われわれは、C. neoformansの感染成立における他菌種との相互作用に着目し、C. neoformansにS. aureusやS. epidermidisが付着し、Cryptococcusが死滅することを報告した。この度は、さらに2菌種の付着に関与する細胞表層物質とStaphylococcusの認識部位について検討した。【方法】S.aureusはC.neoformansの莢膜主成分glucuronoxylomannan (GXM)のα-1,3 mannanから成る主鎖を認識する可能性が示されていた。そこでmannanからオリゴ糖シリーズを調製し、これらの画分によるS.aureusの凝集塊形成を測定した。一方S. aureusから表層タンパクを抽出し、GXMおよびオリゴ糖との相互作用を表面プラズモン共鳴装置ビアコア3000を用いて検討した。【結果および考察】C.neoformansとS.aureusの付着は電子顕微鏡で明瞭に観察された。2菌種の混合培養によるC.neoformansの死滅はα-1,3 mannanにより阻止された。また、S.aureusはmannotriose以上のオリゴ糖の存在下で凝集塊を形成した。さらに表面プラズモン共鳴装置による測定で、GXMを固定化リガンド、S. aureusタンパクをアナライトとした系で相互作用が観察され、この相互作用もmannotrioseの容量依存的に阻止された。オリゴ糖の立体構造を検討した結果、mannotriose以上にポケット構造がくり返し形成された。従って、S.aureusはこの構造を認識しC. neoformansに結合する可能性が示された。
Bibliography:P61
ISSN:0916-4804
DOI:10.11534/jsmm.50.0.74.0