胆道シンチグラフィで胆嚢運動機能異常症と原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis:PBC)の進行を診断した1例

症例は48歳女性.食後に増悪する心窩部痛の精査目的に入院した.肝胆道系酵素上昇の合併から,総胆管の器質的な閉塞を疑い,各種画像検査を施行するも異常は指摘できなかった.十二指腸乳頭機能不全や胆嚢運動機能異常症などの胆道の機能的疾患を疑い胆道シンチグラフィを施行した.総胆管から消化管への薬剤排泄遅延はなかったものの胆嚢の収縮不全と肝内胆汁うっ滞を認め,胆嚢運動機能異常症と原発性胆汁性胆管炎(PBC)の進行の併発と診断した.胆道シンチグラフィを用いて胆嚢運動機能異常症とPBCの進行を同時に診断した例は極めて稀と考えられたため報告する....

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Published in胆道 Vol. 37; no. 4; pp. 803 - 810
Main Authors 山﨑, 吉人, 野口, 正朗, 宮下, 春菜, 秋田, 義博, 中野, 真範, 猿田, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.10.2023
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Summary:症例は48歳女性.食後に増悪する心窩部痛の精査目的に入院した.肝胆道系酵素上昇の合併から,総胆管の器質的な閉塞を疑い,各種画像検査を施行するも異常は指摘できなかった.十二指腸乳頭機能不全や胆嚢運動機能異常症などの胆道の機能的疾患を疑い胆道シンチグラフィを施行した.総胆管から消化管への薬剤排泄遅延はなかったものの胆嚢の収縮不全と肝内胆汁うっ滞を認め,胆嚢運動機能異常症と原発性胆汁性胆管炎(PBC)の進行の併発と診断した.胆道シンチグラフィを用いて胆嚢運動機能異常症とPBCの進行を同時に診断した例は極めて稀と考えられたため報告する.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.37.803