320列面検出器CTによる超低被曝側頭骨CT検査法の提案 Schüller法に代替しうるスクリーニング検査法として

現在主流である多列検出器型CT機器は、高速で、広い範囲を微細に描出できるが、多い被曝量と撮影時間が重要な問題である。それゆえ本機をスクリーニング的に使用することは適当ではない。我々は、320列面検出器CT (ADCT) を使用し小児耳疾患のスクリーニングの使用にも適用できる超低被曝のCT撮影法を考案した。ADCT (東芝Aquilion ONEを使用) で側頭骨標本を様々な撮影条件で撮影し、画質評価を行い、低線量で、かつ臨床に使用する画像として認容できる撮影条件を決定し、さらにCTと単純X線写真の被曝線量とを比較した。 管電圧100kV・管電流10mA・照射時間1.5sec×1回転との撮影条件...

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Published inOtology Japan Vol. 22; no. 5; pp. 803 - 813
Main Authors 吉岡, 哲志, 犬塚, 恵美子, 内藤, 健晴, 藤井, 直子, 片田, 和広, 鈴木, 昇一, 小林, 正尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳科学会 2012
日本耳科学会
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Summary:現在主流である多列検出器型CT機器は、高速で、広い範囲を微細に描出できるが、多い被曝量と撮影時間が重要な問題である。それゆえ本機をスクリーニング的に使用することは適当ではない。我々は、320列面検出器CT (ADCT) を使用し小児耳疾患のスクリーニングの使用にも適用できる超低被曝のCT撮影法を考案した。ADCT (東芝Aquilion ONEを使用) で側頭骨標本を様々な撮影条件で撮影し、画質評価を行い、低線量で、かつ臨床に使用する画像として認容できる撮影条件を決定し、さらにCTと単純X線写真の被曝線量とを比較した。 管電圧100kV・管電流10mA・照射時間1.5sec×1回転との撮影条件を考案した。線量の目安のCTDIvol値は1.7mGy (従来の0.7%) であった。最大線量は、単純X線写真 (左右両側) で平均2.12mGy、上記条件CTでX線写真を下回る同1.59mGyであった。本CT撮影法は、三次元データ量を具有しながらも、低被曝量で短時間の撮影が可能で、スクリーニング検査法として利用できる。
ISSN:0917-2025
1884-1457
DOI:10.11289/otoljpn.22.803