橈骨遠位端骨折術後の偽関節・変形治癒に対する治療の工夫
「はじめに」橈骨遠位端骨折の治療は著しく進歩しているが, 依然として変形治癒の発生頻度は少なくない. 我々は矯正骨切り術に手関節形成術を併用し, 利用可能となった骨を移植骨として利用し, 内固定法もscrewやK-Wireのみで工夫し行っている. 今回, これらの成績について報告する. 対象及び方法 対象は2002年から2004年の間に経験した橈骨遠位端骨折後の偽関節2例, 2手. 変形治癒3例, 3手で計5例, 5手である. 全例女性であり, 平均年齢75.2歳であった. 骨折型はColles骨折4例, Smith骨折1例であった. 初期固定は4例にギプス固定, 1例に創外固定がなされていた...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 1; pp. 50 - 52 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2006
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Summary: | 「はじめに」橈骨遠位端骨折の治療は著しく進歩しているが, 依然として変形治癒の発生頻度は少なくない. 我々は矯正骨切り術に手関節形成術を併用し, 利用可能となった骨を移植骨として利用し, 内固定法もscrewやK-Wireのみで工夫し行っている. 今回, これらの成績について報告する. 対象及び方法 対象は2002年から2004年の間に経験した橈骨遠位端骨折後の偽関節2例, 2手. 変形治癒3例, 3手で計5例, 5手である. 全例女性であり, 平均年齢75.2歳であった. 骨折型はColles骨折4例, Smith骨折1例であった. 初期固定は4例にギプス固定, 1例に創外固定がなされていた(表1). これらの症例に対し, 全例に矯正手術1)5)6)を行ったが, 併用した手関節形成術として3例にSauve-Kapandji法2)(以下S-K法)を, 2例に骨頭切除 いわゆるDarrach法4)を行った. 内固定材料はscrewを2例に使用し, K-Wireのみが2例でscrewとK-Wire併用が1例であった. 手術までの期間は13週から66週で平均25.2週であり, 術後経過観察期間は平均9ヶ月であった. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.55.50 |