Brugada型心電図におけるピルジカイニド負荷加算平均心電図での心室遅延電位を用いた突然死リスクの検討

【背景】Brugada症候群のリスク層別化に心室遅延電位 (late potential: LP) の有用性が報告されている.Brugada症候群において, LP陽性は73%程度の発生率との報告があるが, LP陰性例でも失神歴, 電気生理検査 (EPS) でのVF誘発性などを有するハイリスク症例が存在しており, このような症例の検出法の確立が望まれる, 【目的】Brugada型心電図患者のピルジカイニド負荷加算平均心電図 (P-SAECG) によるリスク評価の有用性を検討する.【方法】Brugada型心電図と診断された患者41例 (平均年齢56.3歳, 男性75.6%) 中39例に対し加算平均...

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Published in心電図 Vol. 26; no. Suppl4; pp. 91 - 96
Main Authors 舩津, 篤史, 山本, 龍治, 柴田, 兼作, 横内, 到, 小野, 剛, 上林, 大輔, 中村, 茂, 円城寺, 由久, 溝渕, 正寛, 小林, 智子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2006
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.26.Suppl4_91

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Summary:【背景】Brugada症候群のリスク層別化に心室遅延電位 (late potential: LP) の有用性が報告されている.Brugada症候群において, LP陽性は73%程度の発生率との報告があるが, LP陰性例でも失神歴, 電気生理検査 (EPS) でのVF誘発性などを有するハイリスク症例が存在しており, このような症例の検出法の確立が望まれる, 【目的】Brugada型心電図患者のピルジカイニド負荷加算平均心電図 (P-SAECG) によるリスク評価の有用性を検討する.【方法】Brugada型心電図と診断された患者41例 (平均年齢56.3歳, 男性75.6%) 中39例に対し加算平均心電図 (SAECG) を施行, LP陰性例では, さらにP-SAECGを施行し, 再度LPを測定.EPSでのVF誘発性, もしくは失神歴との関連を検討した.【結果】P-SAECGでのLPは, VF誘発1生に対し, 感度 (SE) 100%, 特異度 (SP) 16.7%, 陽性的中率 (PPV) 66.7%, 陰性的中率 (NPV) 100%であった.同じくP-SAECGにおいてVF誘発もしくは失神歴に対してはSE100%, SP20.0%, PPV75.0%, NPV100%であった.さらに, ピルジカイニド負荷下においてのみ, VF誘発群で有意にRMS40の低下 (9.12±4.47μV vs.15.5±14.2μV: p<0.05) が認められた.【結論】Brugada型心電図症例のリスク評価にピルジカイニド負荷SAECGが有用である可能性が示唆された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.26.Suppl4_91