男性突然死の多発家系において良好な経過をたどった女性Brugada症候群の3例

Brugada症候群は男性に好発し, その発症に性差の存在が知られている.今回我々は, 濃厚な男性突然死の家族歴を有する女性Brugada症候群の長期予後を観察しえた.症例は58歳 (症例1) , 63歳 (症例2) の姉妹およびその母親 (症例3) である.発端者である症例1の伯父 (母親の兄) , および症例1, 2 (姉妹) の兄弟3名は夜間に突然死をきたしていた.症例1はcoved型のST上昇を示す典型的なBrugada型心電図波形を有するものの無症状であり, 症例2はピルジカイニド負荷後にのみBrugada型心電図波形を示すが, やはり無症状であった, 症例1, 2はその後2年間の経...

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Published in心電図 Vol. 26; no. Suppl4; pp. 53 - 58
Main Authors 本田, 喬, 本田, 俊弘, 小田川, 幸成, 古山, 准二郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2006
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.26.Suppl4_53

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Summary:Brugada症候群は男性に好発し, その発症に性差の存在が知られている.今回我々は, 濃厚な男性突然死の家族歴を有する女性Brugada症候群の長期予後を観察しえた.症例は58歳 (症例1) , 63歳 (症例2) の姉妹およびその母親 (症例3) である.発端者である症例1の伯父 (母親の兄) , および症例1, 2 (姉妹) の兄弟3名は夜間に突然死をきたしていた.症例1はcoved型のST上昇を示す典型的なBrugada型心電図波形を有するものの無症状であり, 症例2はピルジカイニド負荷後にのみBrugada型心電図波形を示すが, やはり無症状であった, 症例1, 2はその後2年間の経過観察にてなんらの症状も認めなかった.症例3は心電図の確認はないが, 複数回の尿失禁を伴う意識消失を繰り返したものの88歳まで生存した.このBrugada症候群の1家系に認められた各男女メンバーの臨床経過は, この症候群における予後の著しい性差を典型的に示すものであつた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.26.Suppl4_53