Imipenem/cilastatin sodium の血小板機能・出血凝固機能におよぼす影響

最近抗生物質投与に伴う副作用として出血傾向が注目されている。そこで我々は, 新しく開発されたカルバペネム系抗生物質イミペネム (IPM) と同剤の尿中回収率を高めるシラスタチンナトリウム (CS) との合剤であるチェナム® (以下IPM/CS) の, 血小板機能・出血凝固機能に対する影響について検討した。 対象は肺炎10例, 肺化膿症1例の計11例の呼吸器感染症である。IPM/CSは原則として1日IPM量として1gを7日間点滴静注し, その前後で血小板数, 出血時間, 血小板粘着能, 血小板凝集能, 血小板ATP放出能, プロトロンビン時間, 活性部分トロンボプラスチン時間, 血漿フィブリノー...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. 7; pp. 896 - 902
Main Authors 野口, 英世, 鈴木, 一, 秋澤, 孝則, 中神, 和清, 寺田, 秀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.37.896

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Summary:最近抗生物質投与に伴う副作用として出血傾向が注目されている。そこで我々は, 新しく開発されたカルバペネム系抗生物質イミペネム (IPM) と同剤の尿中回収率を高めるシラスタチンナトリウム (CS) との合剤であるチェナム® (以下IPM/CS) の, 血小板機能・出血凝固機能に対する影響について検討した。 対象は肺炎10例, 肺化膿症1例の計11例の呼吸器感染症である。IPM/CSは原則として1日IPM量として1gを7日間点滴静注し, その前後で血小板数, 出血時間, 血小板粘着能, 血小板凝集能, 血小板ATP放出能, プロトロンビン時間, 活性部分トロンボプラスチン時間, 血漿フィブリノーゲン, フィブリン分解産物, トロンボテスト, 第II・VII-IX・X凝固因子を測定した。 各検査結果がIPM/CS投与後で増悪した症例は認められず, このことよりIPM/CSは, 1日1g7日間程度の投与では血小板機能, 出血凝固機能に影響を与えることの無い, 安全な抗生物質であると考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.896