当院で経験した有症候性Brugada症候群の長期予後について
1987年から2006年までに当院で診断した有症候性Brugada症候群について調査した, 該当症例は11例.初診時年齢は平均43.5歳で全例男性であった.突然死の家族歴は2例, 心合併症は冠攣縮性狭心症 (VSA) 1例, 心房細動 (AF) 1例であった.電気生理検査 (EPS) での心室細動 (VF) 誘発例は8例であった.初期治療は, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み2例, 抗不整脈薬投与8例 (主にジソピラミド) で, 無治療が1例であった, 同症例について追跡調査を行い, 平均観察期間134.5ヵ月で1例が突然死したが, 他の10例は生存が確認された.本調査結果では, 従来本邦...
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Published in | 心電図 Vol. 27; no. Suppl4; pp. 53 - 57 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
2007
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.27.Suppl4_53 |
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Summary: | 1987年から2006年までに当院で診断した有症候性Brugada症候群について調査した, 該当症例は11例.初診時年齢は平均43.5歳で全例男性であった.突然死の家族歴は2例, 心合併症は冠攣縮性狭心症 (VSA) 1例, 心房細動 (AF) 1例であった.電気生理検査 (EPS) での心室細動 (VF) 誘発例は8例であった.初期治療は, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み2例, 抗不整脈薬投与8例 (主にジソピラミド) で, 無治療が1例であった, 同症例について追跡調査を行い, 平均観察期間134.5ヵ月で1例が突然死したが, 他の10例は生存が確認された.本調査結果では, 従来本邦で報告されてきたBrugada症候群の特徴と比較し, 好発年齢, 性別, EPSでのVF誘発率についてはほぼ一致していた.しかし, 平均観察期間約10年で, 抗不整脈薬投薬群, 非投薬群いずれもVF/失神再発例は少なく, 必ずしも生命予後が不良とはいえない結果であった. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.27.Suppl4_53 |